旧約聖書と新約聖書は何が、どう違うのですか。 | |
旧約聖書、新約聖書の「約」は、「契約」の約です。つまり神様と人間との間の「古い契約」「新しい契約」ということです。 しかし、旧約聖書と新約聖書の二つがあるのではなく、二つ揃って「聖書」なのです。 蛇足ですが、旧約聖書は旧教(カトリック教会)が使用し、新約聖書は新教(プロテスタント教会が使用するというのは誤解です。 「旧約聖書」は、天地創造から始まる壮大な歴史と詩、預言ですが、神と人との契約を律法の教えに従って守り抜くことで神の祝福に生きられるという古い契約。 「新約聖書」は、律法を守れない人間のためにイエス・キリストの十字架の犠牲がなされ、義は人が獲得するものではなく神様によって与えられ、神の祝福の中を歩めるという新しい契約。 主イエス・キリストを直接指し示しているのは新約聖書ですが、旧約聖書も期待、約束、祈り、予言の形でキリストを指し示しています。 聖書は全部で66の書物からなります。 「旧約聖書」は、39の書物からなり、書かれた時代は、聖書の断片も含めるとBC1200年頃からBC150年頃にわたり、書かれた土地も著者も多岐にわたります。ずっと神の言葉として読まれ、礼拝で使用されてきましたが、聖書として成立したのは1世紀末から2世紀ころとされています。 「新約聖書」は、27の書物からなり、書かれた時代は、紀元後50年頃から130年頃にわたり、書かれた土地も著者も旧約聖書同様多岐にわたります。新約聖書はずっと神の言葉として読まれ、礼拝で使用されてきましたが、正式に確定したのは397年のカルタゴ会議です。 聖書は多くの人の手で、長い年月をかけて書かれ、それぞれの土地、時代の影響も受け、一見矛盾するように見えるところや現代の私たちにはそぐわないと思われるところもあります。それにもかかわらずその指し示すところは、神、罪、救いで、キリストを指し示しています。ちょうどオーケストラが壮大な曲を演奏して聴く人を揺り動かすように、聖書の各書を指揮する指揮者のように「聖霊の導き」があったからです。 聖書66巻は、宗教改革によってプロテスタント教会で定めたもので、カトリック教会では66巻のほかに続編としてさらに14巻があります。 新約聖書で「聖書」と書かれる場合は、「旧約聖書」を指します。 |